カナグル錠の効果や副作用とは？痩せるの？通販購入で安いのはオンライン診療の処方がおすすめ

「カナグルを飲むと、瘦せる？」
「フォシーガやジャディアンスとはどう違う？」

ダイエットに挑戦してもうまく行かずあきらめかけた時に、インターネットやSNSなどでカナグルで痩せたという体験談を見て興味を持たれた方もいると思います。

カナグルは本来、2型糖尿病などの治療に使われる医療用医薬品です。

そのメカニズムから体重減少の報告もあり、一部の医療機関では自由診療としてダイエット目的に処方されることもあります。

しかし、ダイエット目的での使用は、国の承認が得られていません。

この記事では、カナグルとはどのような薬か、体重が減少する仕組みや安全性、フォシーガやジャディアンスなど他の薬との違いについて、わかりやすく説明します。

著者	細海　晃央
保有資格	薬剤師免許

カナグル処方でおすすめ
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カナグルとは

カナグル(一般名：カナグリフロジン水和物)は、腎臓での糖の再吸収を抑えるSGLT2阻害薬というグループに分類される飲み薬です。

国内では、2型糖尿病と2型糖尿病を合併する腎不全の治療薬として承認されています。

通常の錠剤(100mg)と、水なしで飲めるOD錠(100mg)があり、2025年9月時点でジェネリック医薬品は販売されていません。

カナグルの効果

カナグルは腎臓で糖質を再吸収するSGLT2というタンパク質のはたらきを妨げ、血中の余分な糖を尿と一緒に排泄させます。

その結果、血糖値を下げるだけでなく、糖の排泄により体内のカロリーが減り、体重減少が報告されています。

この効果を期待して、保険適用外ではありますが、メディカルダイエットにも用いられている薬です。

カナグルのダイエット効果とは

カナグルのダイエット効果について、以下紹介します。

・カナグルで何キロ痩せるか
・カナグルで体重が減少する仕組み
・効果はどれくらいでみられるか
・効果はどれくらい続くか

カナグルで何キロ痩せるか

カナグル服用により、体重減少を検討した試験はいくつかありますが、この記事では日本人のデータを紹介します。

なお、効果には個人差があり、必ずしも同様の結果が得られるとは限りません。

24週間で約2.7kg体重が減少した報告

2型糖尿病の患者を対象に、カナグリフロジン100mgを1日1回朝食前に投与したところ、24週間後には約2.7kgの体重減少が見られました（参考：カナグル錠インタビューフォーム）。

52週間で約3.0kg体重が減少した報告

別の試験では、2型糖尿病の患者を対象に、カナグリフロジン100mgを1日1回朝食前に投与したところ、52週間後の体重は約3.0kg減少していました（参考：カナグル錠審査報告書）。

カナグルで体重が減少する仕組み

カナグルが体重に影響する主な理由は、糖を体の外に排出することでエネルギー量が変化するためです。

具体的なメカニズムを2つ紹介します。

糖排泄によるカロリーの消失

この薬を飲むと、1日あたり約60～80ｇの糖が排泄されます。

これは、カロリーに換算すると約240～320kcalで、茶碗1～1.2杯分のご飯に相当する量です(参考：Saisho Y. ： Diseases. 2020 May 11;8(2):14.)。

この分のカロリーが排出されることにより、体重減少につながると考えられています。

脂肪がエネルギーとして使われやすくなる

カナグル服用により糖が排泄されるので、血液中の糖分が少なくなります。

そのため、エネルギーが足りなくなった体は、不足分を補うために脂肪をエネルギー源として使うようになるのです。

この仕組みにより、脂肪が燃焼されやすい状態になり、体重減少をサポートする可能性があります。

効果はいつからあらわれるか

カナグル服用後の糖排泄効果は、服用初日から確認されています。

海外の健康成人にカナグリフロジンを1日1回6日間服用した試験では、服用10時間後には尿中に含まれる糖の量は増えました。

(引用：カナグル申請資料概要 2.7.2 臨床薬理試験)

なお、体重減少については、2型糖尿病の患者を対象に52週投与した試験では、”服用4週間後に体重減少を示し、その効果は52 週後まで維持した”と報告されています(参考：カナグル錠インタビューフォーム)。

効果はどれくらい続くか

カナグルは1日1回飲む薬なので、24時間効き目が続きます。

なお、海外の健康な人がカナグリフロジンを1日1回6日間服用し、9日目に尿中の糖の量を確認したところ、1日目と同じくらいの尿糖が出ていることが確認されています。

(引用：カナグル申請資料概要 2.7.2 臨床薬理試験)

このことから、カナグリフロジンの服用を中止してから3日経過しても、尿糖は排泄されていることがわかります。

カナグルを服用中はずっと体重は減るか

カナグルを含むSGLT2阻害剤を飲み続けた場合、体重はある程度減ると、次第に安定してくる傾向があります。

2型糖尿病の患者を対象に52週投与した試験では、カナグリフロジンを投与してから、体重は4週目までに減少し、20週目まで続きます。

(引用：Kadowaki T, et al.： Diabetes Obes Metab. 2018 Jan;20(1):77-84.)

そして、この効果は52週まで維持されていました。

体重減少が落ち着く理由

SGLT2阻害剤を飲み続けると、体重は徐々に安定してくる傾向が見られます。

これは、体がエネルギーバランスを保とうとするためで、主に２つの原因が考えられています。

エネルギー消費の減少

カナグル服用により体重が減少すると、基礎代謝量は少なくなります。

体が「必要とするエネルギー」と、「実際に使うエネルギー」のバランスが変わるため、ある程度期間が経つと、体重が減らなくなります。

食事摂取量の増加

糖の排出によりカロリーが減ると、体はエネルギー不足を補うために摂取カロリーを増やそうとします。

食欲を増やしたり、エネルギー消費を抑えたりする反応が起こります。

カナグルの副作用

カナグルの服用により、特に注意が必要な副作用や、服用の注意をまとめました。

特に注意が必要な副作用

次のような症状が見られた場合は、使用をやめてすぐに医師に相談してください。

低血糖

冷汗が出る、お腹がすく、手足がふるえる、意識の低下など

※単独投与では起こりにくいとされていますが、他の糖尿病薬と併用するとリスクが高まります。

脱水（多尿・頻尿・体液量減少）

のどが渇く、体がだるい、めまい、疲れやすいなど

※糖と一緒に水分も排出されるため、こまめな水分補給が必要です。

尿路感染症、性器感染症

尿路感染症：尿が近い、排尿時の痛み、残尿感など

性器感染症：性器のかゆみなど
　（男性）性器から悪臭のある排泄物
　（女性）白いおりものなど

※発熱や悪臭を伴う場合は早めに受診が必要です。

ケトアシドーシス、尿中ケトン体陽性、血中ケトン体増加

吐き気・嘔吐、腹痛、意識・判断力の低下など

※発症はまれですが、重症化することがあるため、異常を感じたら服用を中止し、すぐに医師へ相談してください。

その他

皮膚のかゆみ

※この薬を飲み始めてから皮膚がかゆくなったり、発疹が出たりしたときは、医師に相談してください。

カナグルが服用できない人・注意が必要な人

カナグルが服用できない人、服用に注意が必要な人は次の通りです。

カナグルが服用できない人（禁忌）

過去にカナグルに含まれる成分でアレルギー反応を起こした人
重症なケトーシス状態の人、ペットボトル症候群の人、糖尿病性の昏睡状態にあるか昏睡状態になりそうな人
重い感染症にかかっている人、最近手術をしたか手術の予定がある人、大きな怪我をしている人

これらの状態にある人は、カナグルは服用できません。

服用に注意が必要な人

心不全のある人
低血糖を起こす恐れのある人・状態
（脳下垂体機能不全、副腎機能不全、栄養不良、著しくやせている、飢餓状態、不規則な食事、食事量の不足、衰弱状態、激しい筋肉運動をしている、飲酒量が多い）
脱水を起こしやすい人
尿路感染・性器感染のある人
腎機能障害のある人
肝機能障害のある人
高齢者

なお、妊婦または妊娠している可能性がある人は、原則としてこの薬を使用することはできません。

カナグルの飲み方と注意が必要な薬

カナグルの服用にあたり、飲み方や併用に注意が必要な薬をまとめました。

基本的な飲み方

通常、成人は1日1回1錠(100mg)を朝食前または朝食後に服用します。

朝服用の理由は、カナグル服用により頻尿・多尿の恐れがあるためです。

なお、ダイエット目的での投与量は、医師の指示に従ってください。

飲み忘れた場合

忘れた分は飲まずに1回分とばして、次の通常の服用時間に1回分を飲んでください。

絶対に2回分を一度に飲んではいけません。

その他の注意

①誤って多く飲んだ場合は医師または薬剤師に相談してください。

②尿糖または1,5-AGの検査
カナグルを服用している間は、尿糖検査は「陽性」になります。
また、1,5-AGの検査では値が低く出ます。

検査の際は、この薬を服用していることを伝えてください。

併用禁忌・併用注意

カナグルには併用を避けなくてはいけない薬はありませんが、飲み合わせの良くない薬があります。

併用注意

併用に注意が必要な薬	理由
糖尿病用薬（スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進薬、α-グルコシダーゼ阻害薬、ビグアナイド系薬剤、チアゾリジン系薬剤、DPP-4阻害薬、GLP-1受容体作動薬、インスリン製剤等　など）	血糖を下げる働きが強く出ます。

血糖値を下げる働きを強める薬剤（β遮断薬、サリチル酸剤、モノアミン酸化酵素阻害剤　など）
血糖値を下げる働きを弱める薬剤（アドレナリン、副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモン　など）	血糖を下げる働きが弱まります。
ジゴキシン	ジゴキシンの効果が強く出る可能性があります。
リファンピシン、フェニトイン、フェノバルビタール、リトナビル　など	カナグルの分解が促されて、効果が弱くなる可能性があります。
利尿作用を持つ薬（ループ利尿薬、サイアザイド系利尿薬　など）	利尿作用が強くあらわれます。
炭酸リチウム	血清リチウム濃度が低下する可能性があります。

これらの薬を服用している場合は、医師に相談しましょう。

その他メディカルダイエットに使われる薬との比較

カナグルと主なダイエットに使われる薬の違いについても解説します。

カナグルとリベルサスの違い

リベルサスは、GLP-1製剤に分類される飲み薬で、2型糖尿病の治療に使われます。

主に膵臓にはたらき、血糖値が高くなると、インスリンの分泌を促して血糖値を下げます。

リベルサスは、

・脳の食欲中枢に働きかけて食欲を抑える
・胃腸の動きをゆるやかにして少しの食事でも満腹感が持続しやすい

といった特徴があります。

それぞれの体重への影響は、以下の通りです。

カナグルは「糖を排出しカロリーが減少する」
リベルサスは「食欲を減らす」

カナグルとフォシーガ、ジャディアンスとの比較

フォシーガとジャディアンスは、カナグルと同じくSGLT2阻害剤に分類される飲み薬です。

体内の余分な糖を排泄するという基本的な仕組みは同じですが、それぞれの適応や特徴が異なります。

薬剤名	適応症	SGLT2選択性	血中半減期
カナグル	2型糖尿病慢性腎臓病（2型糖尿病と合併）	低い	約10時間
カナグル	2型糖尿病慢性腎臓病（2型糖尿病と合併）	低い	約10時間
フォシーガ	2型糖尿病 1型糖尿病慢性心不全慢性腎臓病	中程度	約8～12時間
ジャディアンス	2型糖尿病慢性心不全慢性腎臓病	高い	約14～18時間

SGLTタンパク質には1と2があり、SGLT1を阻害すると、食後の高血糖改善が期待されています。

SGLT2は主に腎臓に存在しているため、SGLT2に選択性が高いと腎臓以外の臓器に作用しにくいと考えられています。

血中半減期については、短いと効果持続時間も短く、長いと持続時間が長くなる傾向です。

これらのことからまとめると、次のように言えます。

カナグルは効果持続時間が比較的短く、食後高血糖の改善も期待される
ジャディアンスは効果持続時間が長く、腎臓での働きが強い
フォシーガはそれぞれの中間程度の働き

※以下サイトもご参照ください。

カナグルとメトホルミンの違い

メトホルミンは主に2型糖尿病治療に用いられる飲み薬です。

腸からの糖の吸収を抑え、血糖値の急激な上昇を防ぐことで体重が増加しにくくなります。

また、GLP-1の分泌を増やす働きがあるため、食欲を抑える作用もあります。

メトホルミンは劇的な体重減少効果は示さず、太りにくい体質をサポートするという位置づけです。

カナグルは「体重減少が期待される薬」
メトホルミンは「太らないようにする薬」

と言えるでしょう。

参考サイト

Q&A

カナグルとフォシーガ、ジャディアンスは換算できますか?

これらの薬剤間で、体重減少の換算量を検討した試験はありません。

それぞれの投与量や薬剤特性が異なるため、単純な比較はできません。

参考情報として、日本人2型糖尿病患者に各薬剤を52週間投与した試験での平均体重減少量は、次のとおりです。

薬剤名	投与量	52週後の平均体重減少
カナグル	100mg	約-2.96 kg
カナグル	100mg	約-2.96 kg
フォシーガ	5〜10mg	約-2.58 kg
ジャディアンス	10mg	約-3.07 kg
ジャディアンス	25mg	約-3.12 kg

出典
カナグル：国内第Ⅲ相単独又は併用療法長期投与試験(TA-7284-06試験)
フォシーガ：日本人2型糖尿病患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験(D1692C00012試験)
ジャディアンス：国内第II相用量検討及び長期安全性試験(1245.38試験)

※これらはあくまで異なる試験の結果であり、同じ条件で比較したものではありません。
　個人差も大きいため、効果を保証するものではありません。

GLP-1製剤と併用した場合の体重への影響は?

リラグルチド(商品名：ビクトーザ)を使用している2型糖尿病患者に、カナグリフロジン100mgを追加して、52週間服用した試験があります。

この試験では、カナグル服用4 週後に体重減少を示し、その効果は52 週後まで続いたと報告されています。

（引用：カナグル錠インタビューフォーム）

ただし、具体的な体重減少量(kg)は確認できず、「52週後に体重が約4.5％減少した」との記載です。

なお、副作用のリスクも増える可能性があるため、併用は必ず医師の判断が必要です。

カナグルを飲んだら確実に痩せますか?

カナグルは体重減少を目的として承認された薬ではなく、主に糖尿病治療に用いる薬です。

日本人を対象とした試験では、約3kgの体重減少が報告されていますが、すべての人に当てはまるわけではありません。

体質や生活習慣、食事・運動の取り組み方にもよります。

運動や食事制限はしなくても良いのですか?

カナグルに限らず、ダイエットの基本は食事療法と運動療法です。

適度な運動と、バランスの良い食事を心がけることで、より効果的な体重減少が期待できます。

なお、不規則な食事摂取、激しい筋肉運動を行う人は、低血糖を起こすおそれがあるので注意が必要です。

カナグルはどこで買える?

カナグル（一般名：カナグリフロジン）は、2型糖尿病の治療薬として保険適用で処方される医療用医薬品です。

そのため市販されておらず、Amazonや楽天、Yahoo!ショッピングなどの通販サイトでも購入できません。

入手するには、医師の診察を受けて処方してもらう必要があります。

カナグルは個人輸入できますか?

カナグルを含む医薬品の個人輸入は、品質や安全性の観点から非常に重大なリスクを伴うので推奨されません。

ネットで検索すると個人輸入代行サイトも見つかりますが、利用は避けた方が良いでしょう。

その理由を、品質面・安全面から説明します。

品質のリスク

個人輸入した医薬品には、偽造品や不純物が混入している可能性があります。有効成分の量が表示通り含まれていない場合もあり、品質の保障が一切ありません。

このような薬を服用すると、期待する効果が得られないだけでなく、健康被害を引き起こすリスクがあります。

安全性・健康被害のリスク

医師の診断を受けずに医薬品を使用すると、誤った服用や薬同士の相互作用によって健康被害が生じる可能性があります。

医薬品を入手する際は、安全性を確保するためにも、必ず医師の診察・処方を受けましょう。

なお、厚生労働省や政府広報オンラインにて、医薬品の個人輸入に関して、注意喚起しています(参考：厚生労働省｜医薬品等を海外から購入しようとされる方へ政府広報オンライン｜健康被害などリスクにご注意！　海外からの医薬品の個人輸入 )。

カナグルの料金

カナグルを糖尿病治療で使用する場合、医師の診察により保険適用となります。

一方で、メディカルダイエット目的での使用は、保険が適用されず自由診療(自費)扱いとなります。

料金は病院やクリニックによって異なりますが、オンライン診療では比較的安く設定されていることが多いです。

オンライン診療を提供する医療機関はたくさんあるので、比較して最安値を探すことが可能です。

カナグルの薬価

カナグル錠100mg、カナグルOD錠100mgともに、薬価は1錠139.30円です(2025年９月時点)。

なお薬価は、薬価改定により変更される場合があります。

カナグルを上手に利用して安全に体重減少を目指しましょう

カナグル(一般名：カナグリフロジン)の体重減少について、減少量やメカニズム、注意が必要な副作用などについて説明してきました。

2型糖尿病の治療薬として開発された医療用医薬品ですが、体重減少作用があることからダイエット目的で使われることもある薬です。

ただし、本来の効能は血糖コントロールであり、ダイエット効果を目的に承認されているわけではありません。

効果に個人差はあるものの、平均で約3kgの体重減少が報告されています。

一方で副作用やリスクも伴うため、安全性と品質が確認できる医療機関・オンライン診療クリニックを通して、医師の管理下で使用しましょう。

薬に頼るだけではなく、ダイエットの基本である適度な運動と、バランスの良い食事を心がけることで、より効果的な体重減少が期待できます。

まずは信頼できるクリニックで相談し、納得したうえで取り入れるかどうかを決めてください。

カナグルについて

国内における承認状況

・カナグル

2型糖尿病の治療薬、2型糖尿病を合併する慢性腎臓病の治療薬として厚生労働省に承認されています。

肥満治療等別の目的での処方は国内で承認されていません。

国内の承認医薬品等の有無

・同じ有効成分を有し、肥満症治療目的で承認されている国内医薬品はありません。

入手経路

・提携クリニックの医師が、国内医薬品販売代理店経由で購入しています。

諸外国における安全性等に係る情報

・諸外国で重篤な安全性情報の報告はありません。

(引用：SGLT2阻害薬｜elife)